営業に許可や免許が必要な会社の設立


会社を作って事業を始める場合、その事業が国や都道府県等から許可・免許を受けなければ行うことのできないものであるときは、会社設立の時点から許可・免許の要件を確認して手続きを進める必要があります。

というのは、営業許可・免許等の要件に、会社の事業目的や組織、資本金をこうしておくべきという決まりが含まれていることが多いからです。

主な営業許可や免許、届出

営業するために行政庁からの許可や免許を受けたり、届出の手続きを行わなければならない事業は非常に多くの数あります。その中でも、比較的メジャーなものは、以下のような事業です。

建設業 一定以上の金額で工事を請け負う場合に、都道府県知事や国土交通大臣から建設業許可を受けておく必要があります。
宅建業(不動産業) 宅地建物の取引を業として行う場合、都道府県知事や国土交通大臣から宅建業免許を受けておく必要があります。
中古品売買 警察署で古物商許可を受けておく必要があります。
飲食店営業 保健所で飲食店営業の許可を受けておく必要があります。
酒類販売 取り扱うお酒の種類や業務内容によって、税務署から対応する酒類販売業の免許を受けておく必要があります。
旅行業 事業内容に応じて、観光庁などへ登録を行う必要があります。
産業廃棄物 都道府県から産業廃棄物収集運搬業等の許可を受けておく必要があります。
人材派遣業 都道府県の労働局から許可を受けておく必要があります。

会社を設立するとき気をつけておきたいポイント

これから会社(法人)を設立する場合、営業許可等の必要な事業を行うときは設立の内容に注意しておかなければなりません。

会社の事業目的

もっとも気をつけておきたいのは、設立する会社の定款や登記に記載される事業目的です。

許可や免許を行政庁から受けるにあたって、会社の事業目的に一定の目的(文言)が入っていないと、許可や免許の要件を満たさずに申請することができなくなってしまいます。

資本金

また、営業許可・免許の種類によっては、会社の資本金(資産)が一定以上あることを要件とするもの、設立する会社の資本金が一定以上あると許可・免許の申請手続きがいくぶん楽になるものがあります。

そのため、会社の資本金や資産が許可・免許要件となる事業を始めるにあたっては、設立する会社の資本金をいくらにしておくかが重要です。

増資を行って後から会社の資本金を変更することも可能ではありますが、設立してすぐ事業を始めたい状況で、さらに増資の手続きを追加するのは手間・コストがかかり無駄が多くなってしまいます。

所在地

営業許可・免許の種類によっては、会社の本店所在地の状態について、一定の要件が定められている場合があります。

もっともよく問題になるのは、バーチャルオフィスを本店所在地として開業したものの、営業許可を取得するためにはバーチャルオフィスではない実体のある物件が必要だった、というケースです。

こちらも、要件を満たすために本店移転を行うことも可能ではありますが、設立直後に本店を移転することは、法務局の登録免許税だけでも数万円かかってしまうことから、非常に無駄が多いです。

本店をどこに置くかについて、これから許可・免許の必要な事業を行う場合は要件をしっかり確認しておくほうがよいでしょう。

行政書士への相談・依頼

なお、営業にあたって行政庁から事前の許可や免許(あるいは届出)が必要なのか、設立する会社が許可・免許等の要件を満たしているのか、悩まれる方も多くいらっしゃいます。

そのようなときは、行政書士に相談してみるのも一つの手です。行政書士は営業許可・免許の申請手続きを専門とする国家資格者ですから、このような問題へのアドバイスや、場合によっては手続き全般を代行で依頼してしまうことも可能です。

当事務所は司法書士事務所として会社設立業務に携わっていますが、行政書士事務所として営業許認可の申請業務にも携わっています。

もし会社設立から営業許可・免許の手続き全般がイメージしづらくお困りの際は、一度ご相談ください。

 

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